ラオスでの綿作りは、先ず山を焼き払い、焼畑した場所に綿を植えます。そして1年ごとに綿畑を変えます。
手仕事は生活の中で一番重要であり、果たして簡単にお金に替えれるものなのか、大変時間がかかることなので、どうしても強く仕事の在り方は意識してしまいます。現地で良い仕事に出会い、欲しくても、分けてもらうことは困難です。それは彼らが生活の中で一番大切にしているものだからです。
綿花から種を取り出す作業も、専用の手回し機で、種だけを取り出します。その作業は本当に軽妙で、簡単なようですが、逆に、このやり方でないといけないのかと思うくらい、なんだか手間だとも感じてしまいます。ローラーを綿花が通る度に、コロコロと種だけが綿から綺麗に分離されて、下に零れていきます。
子供の頃から死ぬまで、死んだときに布がどう評価されるか。そんな原始的なラオスの村での考えの下、前川さんの仕事にも一切の妥協がありません。しかし、それは意識したものでなく、それが当たり前なのです
綿を作る事は、鉈打ちから始まり、消し炭も竹を切り倒し焼いて作ります。染めに必要な灰汁を、灰汁は山から石灰を取りに行きます。染めに必要な酒は、米を作ることから、そして道具も全て作ります。